慶應SFC SBC β4

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス

スチューデント・ビルド・キャンパス 滞在棟4

ABOUT

慶應SFC SBC β4
竣工  :2020,09
所在地 :神奈川県藤沢市
用途  :宿泊施設(12戸)
設計期間:2017,04-2019,12
施工期間:2019,12-2020,09
敷地面積:9,092.96 ㎡
延床面積:83.91 ㎡

慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の12室の個室からなる寮の設計。SBC(スチューデント・ビルド・キャンパス)という、学生が設計から施工まで自分たちで手掛けるプロジェクト。

アーキロイドでは、学生が作成したプランを元に、構法を自動設計・部材の積算・プレカットデータ作成をするシステムを開発。通常積算やプレカットデータチェックは2週間程度時間を要するところを、1日に短縮しました。積算も実際の建設費と誤差1%未満という高い精度を実現しています。

CREDITS

設計:慶應義塾大学松川昌平研究室吉田環境デザインアーキスコープ
設計システム:アーキロイド
施工:長谷萬

CONCEPT

分けつつ繋ぎ、閉じつつ開く

SFCには残留学生がキャンパス内で寝泊まりすることという文化がある。しかし、これまでは教室の机の下や椅子の上で雑魚寝していた。学生個人で快適に寝泊まりできる滞在棟の要望は非常に高く、β4はこのようなニーズに応えた12戸の個人滞在棟群である。

一般的なホテルの一室をさらに細かく離散化し、立体的に再構成することで、一的になりがちな個室に、ささやかな多様性をつくり出した。また、立体的な個室群を数珠繋ぎにグルリと一周させることで、学生同士が交流できるような中庭状の共用スペースを設けた。

部分的には単純な構成要素に多様な関係性をもたせることによって、全体としては、分けつつ繋ぎ、閉じつつ開くといった両義的な性質を同居させることを目指している。

また、建築ボリュームを入力すると,プレカット図や積算が一気通貫に出力できるシステムを同時に開発することで、一見複雑に見える設計プロセスを合理化した。

文章:松川昌平